やっとこさ商品を売り出せます
Nagara開発記もいつの間にか17週目。
ここにきてようやく商品を販売するお話にやってまいりました。
いやー長かった。
実際振り返ってみると、自分で商品を作ろうと決意したのが2021年の6月で、発売の準備が整って先行販売を実施したのが2022年5月20日、ちょうど丸々一年くらいかかってしまったことになります。
会社員と兼業とはいえ想像の二倍かかってしまったなというのが素直な感想です。
今回の話はMakuakeでの先行販売。いわゆるクラウドファンディングに挑戦した話を書いていきます。
Nagaraに興味を持ってもらえる人に伝えたい
実はかなり早い段階から、クラウドファンディングを活用しようという構想はありました。
理由は大きく二つ。
まず第一に、多くの人に魅力を正しく伝えられるチャネルだと思ったから。
現在のNagaraはハンディスープだけが商品です。
この商品の難しいところは「あんまり世の中にない製品である」という事と、「良さを伝えるためにはしっかりと説明する必要がある」という二点です。つまるところ、Nagaraは世間的には「なんだかよくわからない商品」なんです。
そして人はなんだかわからないものが目に入った時、往々にして無視をしてしまう傾向にあります。
ECに関わらず事業において、一番簡単に売上を上げる方法は「その商品を探している人にアプローチして売ること」なんです。
「風呂上りに牛乳がのみたくてたまらない」という人が多いから脱衣所に自販機を置くだけで売れるし、「乾燥肌に効く乳液が欲しい!」という人がたくさんいるから「乾燥肌 乳液」というキーワードで検索広告を出せば売れるんです。いわゆる顕在的なニーズってやつですね。
一方で世の中に「ああ、私はいまハンディスープが欲しくてたまらないわ...誰か売ってちょうだい...」という人ってほとんどいないはずなんですよ。
だって世の中になかったんだもの。
そんな中で商品を買ってもらうにはしっかりと理解してもらう必要がある。
それを達成する要素を兼ね備えていたのがクラウドファンディングだったんです。
元々クラウドファンディングは、資金が必要な事業への多数の投資家からの先行投資の意味合いが強かったのですが、近年は「コンセプチュアルな商品の先行販売会場」としての様相を呈しています。
「ペット用ドライヤーハウス」や「スマホを使ったコーヒー自家焙煎機」等たくさんの新しくて面白いモノがプラットフォーム上で販売され、そんな商品たちを面白がって探す人達が集まっているのです。
まさに、初期のNagaraがつながりたい方々。そんな方々とつながってスタートダッシュを切る。そんなビジネス視点でクラウドファンディングでの出品を決めました。
そしてもう一つの理由は、「面白そうだったから」です。
僕、基本的にお祭り騒ぎが好きなんですよ。
飲み会には電車で2時間かかるところでも余裕で参加しますし、何かイベントがあれば可能な限り全力ではしゃぐタイプです(そして色々な失敗もしてきました)。
皆さんの購入金額が可視化されて、目標に向かってどんどん進んでいく、こんな面白そうなお祭りを自分主体でできるチャンスなんてそうそうないですよ!
そう考えると、気持ちの面でもやる以外の選択肢がありませんでした。
一番最初の購入者
端折りながらお話しますが、クラウドファンディングでの先行販売に向けての準備は忙しい日々でした。ページを準備や商品の最終チェック、表現が法律に抵触していないかの確認なんかにも時間を取られました。
そして会う人会う人に告知と営業を行います。
だって発売して誰も買わなかったらあまりに寂しいんですもの。
やれることは何でもやります。
肝っ玉が小さいようですが、そんな努力も大事なんだと思います。
そして、来たる2022年5月20日(金)12時ちょうどに、NagaraハンディスープはクラウドファンディングプラットフォームMakuakeにて販売が開始されました。
「まあ、少なくとも友人は何人か買ってくれるはず、大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせてプロジェクトスタートのボタンをクリックしました。
クリックしてから1分と少し経った頃、1通のメールが届きます。
メールボックスを開けると「あなたのプロジェクトが応援購入されました」というタイトルが目に飛び込んできます。
「わー!売れた!!」
自宅で一人でPCに向かって思わず叫びました。
そして、即座に購入者のデータを覗きに行きます。
「同僚の彼が買ってくれたのかな、それとも母さんだろうか」などと思いながらモニタを見て驚きました。
全然知らない人なのです。
沢山夢を語った友人でもなければ、ひっそりと応援してくれている両親でもない、たまたまMakuakeで商品を見つけていいなと思って買ってくれた岩手の男性でした。
全く縁もゆかりもないひとが、自分で作ったウェブページを見て、自分が作った商品にお金を出してくれた。
この事実に、ただただ感動しました。
その後も数分置きにお知らせメールは届き、購入してくれた方は1日で100名にものぼりました。
メールが来るたびに部屋でガッツポーズをして小躍りする。
もう当日は他の仕事が一切手につきませんでした。
すばらしいスタートダッシュを切れました
結果としてNagaraハンディスープのクラウドファンディングには154名110万円以上の応援購入が集まりました。
事業の目標として売上100万円を掲げていたので、しっかりと達成できた形になって喜ばしい限りです。
ちなみにこの金額、食品かつ広告費ゼロのプロジェクトとしては結構成功した方だそうです。素直にうれしいですね。
このプロジェクトは、実際に売上が立ったことはもとより、多くの方が実際に購入をしてくれたという事実がとても重要でした。
ハンディスープ、可能性あるぞ...!
という事で、このあとポーンと会社を辞めてうっかり独立してしまったりするのですが、それはまた別の機会にお話するとしましょう。
Nagara代表 原賀 健史