次なるお味が決まらない
ラインナップを決めるにあたり、代表原賀の個人的な好みもありまして、トマトベースのガスパチョはすんなり決まりました。
しかし問題はその次です。
一ひねり利いていて、カラダにも良くて、そして何より驚くほど美味しいもの。そんなレシピを求めての検討が始まります。
にんじん、ジャガイモ、さつまいも等の定番どころはもちろん、小松菜やビーツ、クランベリーを使ったフルーツスープなんかも試しましたが、保存性が良くて美味しいものを探すのは長い道のりでした。
キャロットラペをスープにする。
「キャロットラペはどうかな?前菜として出すことあるけど、あれなら冷製スープになっても美味しいと思う」ある日シェフ岡嶋が言いました。
キャロットラペは細切りにんじんとオレンジを合わせたものを、レモン汁、オリーブオイル、塩等で和えたシンプルな料理です。
人参の甘味と柑橘の酸味が合わさる爽やかなお味が軽い前菜として優秀なんだとか。
うん。確かにいけそうかも知れない。
早速人参とオレンジをベースに作ってみます。
色や栄養は申し分なし、ただ、味はというと、なんだか惜しい。
悪くないのですが、甘味が強くてなんとなくぼやっとしています。
原因はオレンジの部分。お食事としてのスープにしてはやや甘味が強すぎたのです。でも方向性は悪くない。どこかに正解の素材があるはずです。
これを期に、例によって柑橘類探索マラソンが開催されます。
とにかく集めて、とにかく試作。自分で書いていて少しあきれるところですが、結局何事も地道なトライアンドエラーの積み重ねでしかないのです。
みかん、ボンタン、夏みかん、レモンやライムにグレープフルーツ。
フランスのやたらと高いオレンジジュースも取り寄せたりもしてみました。
そんな中、一つだけ明らかにしっくり来るものが一つありました。
控えめな甘味、上品な酸味、そして味をキリリと引き締めるわずかな苦み。
選ばれたのは、甘夏でした。
瀬戸内の太陽をしっかり浴びた甘夏が理想の柑橘だったのです。
次なるお味の輪郭がはっきりした瞬間でした。
やっぱり素材にはこだわりたい
人参と甘夏のラペをスープにする。第二のメニューが決まりました。
さて、となるとやっぱりこだわりたいのが一番メインとなる人参です。
そして、インターネットの海をさまよって見つけたのがふかうら雪人参です。
雪の街、青森県深浦市で取れる人参で、深い雪の中で育ったのが特徴です。
特徴としては、甘さ、βカロテンをはじめとした栄養が豊富なところ、そしてその色です。
見てくださいこの赤さ。絶対栄養たっぷりじゃないですか。
もう見てるだけで軽い風邪位ならなおりそうなモノです。
雪の寒さが栄養と甘さをたくわえる。
トマトの時と同じで、野菜は環境が厳しければ厳しいほど、甘く栄養豊富に育つものなのです。
名前、結構悩みました
そんなこんなで、レシピも素材も固まりやっと完成です。
さて、ここでもう一つの問題が、名前です。
「キャロットラペをモチーフにして、人参と甘夏をベースにした冷製スープ」困ったことに今回の品は、オリジナルの創作スープです。
されども売るからには商品名が必要不可欠。
最初の案は「雪人参と甘夏のラペ・ポタージュ」でした。
キャロット・ラペをベースにフランス語でスープを意味するポタージュをつけてみた所存です。
語感もなんだか可愛いですしね。ラペポ。らぺぽ。声に出したい。
その名前で一番最初はWEBも立ち上げましたし、チラシを刷ったりもしました。しかしながら、友人知人に説明を続けるうちに致命的な欠点に気づきます。「ポタージュ」という言葉がどうしてもコクのあるミルキーな雰囲気を想起させてしまうのです。日本人にとってポタージュと言えばやっぱりコーンポタージュです。クノールさんにはあっぱれです。
という事で別の名前を付けなくてはいけません。
これには悩みました。あまりにも悩んだのでtwitterでも意見を募ってみました。
アンケート結果としては「雪人参と甘夏の冷製スープ」が圧倒的でした。シンプル。
でも、結果、アンケート結果に逆らいました。
名付けたのは「雪人参と甘夏のスムース・ラペ」。
「ラペをなめらかにしたもの」ということで、思いっきり造語です。
人参と甘夏の冷製スープ。中身を開けばその通りなのですが、この情報以上にこの商品はこだわっています。人参と甘夏以外にも、生姜、白ワイン、ブイヨン、オリーブオイル、その他各種調味料を組み合わせて作りこんだユニークな一品なのです。
なかなか一言で説明しきれないお味なので、もういっそのこと新しい名前を付けてしまった方が気持ちが良いかな。というのが見解です。
そのユニークな味とユニークな名前が、これから口にしていただく方々の頭の中でイメージを作り「Nagaraのラペのやつ。私好きなんだよね」こんな会話がどこかでされる事を切に願って名付けます。
この商品、周囲の方々に試食いただいた時に、特に女性に好評でした。
試食品を持って行って目の前で食べてもらう事は何回やっても少し緊張しますが、口に入れた瞬間目の前の人の顔が明るくなる様は何物にも代えがたい喜びを感じます。
改めて言いますが、良いものが出来たのでみなさん是非食べてみてください!!