Nagara流物流戦略(根性編)

Nagara流物流戦略(根性編)

どうやってお客様にとどけようか問題

今までのお話を振り返ると、コンセプトが固まり、お金の工面ができ、モノが出来上がり、それを伝えるグラフィックとWEBサイトが出来る。

もうビジネスとして組みあがったかな。というところですが、まだまだ忘れちゃいけない大事な要素があります。物流です。インターネットを通した注文の先で、実物を皆様に届ける流れを構築する必要があるのです。

EC業界では、一般的には外部倉庫に物流機能を全般的に移管します。

注文を受けた後は「これを梱包してここに配送しておいて!おねがい!」と外部業者に依頼するようなイメージですね。

弊社も例にもれず、いくつかの物流業者の扉を叩き、話を聞き、合い見積もりを取ってみました。

そしてその結果わかったことは、「物流費、とっても馬鹿にならない」という事でした。

このご時世の話もあるかも知れませんが、特に食品のような比較的低単価な商品に関しては、商品1個あたりの費用の中で、物流費が占めるウェイトが驚くほど高いのです。

2000円くらいのものを買ったつもりが送料が追加されていつの間にか3000円を超えていて「あれ?」と思った経験は皆さんあるはず。あの送料の中には配送料だけでなく、箱詰めをする人の人件費や梱包資材のお金もコミコミなんです。

そして、現在最低ロット生産にてスタート予定のNagaraハンディスープの原価もそこまで安いものではありません。

嵩むコスト、圧迫される利益、高くなる価格、上がらない売上、増えないロット、コスト改善の見込みなし、、、

うーむ。負の連鎖の匂いがします。これはなんとかせねば。

 

お金の余裕が無い分は身体と気合でカバーする

こういう場合、資金力のある大企業の場合の戦略として考えられるのが「初期は収益性を犠牲にして低価格で売り抜き、浸透と同時に規模の経済でコストダウンを測り、健全な事業に体質を変えていく」という路線です。

「たくさん売れた時に儲かればいいやー」の精神。
まさにお金持ちの余裕。うらやましいぜ。

しかしながら、我が社の資金力は会社員時代のなけなしの貯金がメインであり、ハリボテのペラペラ。長期的な体力など一切ありません。

じゃあ何なら使えるのか?それは自宅と代表取締役の労働力です。
注文数がそこまで多くないであろう初期段階は自宅を倉庫とし、自ら箱詰めし、宛名を書き、配送業者に引き渡す。

こうすることでコストを削減して小ロット分のコストをある程度吸収しています。

月100万円程度の売り上げになったときでも日次平均出荷数は10個に満たないくらい。うん。頑張れば行ける数字ですね。

何より、お客さまの名前と住所を見て直接お渡しする経験をするのも商売をするにあたって健全な姿なのかも知れません。

ということで、初期に買っていただいた方、商品は僕(もしくは奥様)が発送しています。起業ってなんだかカッコイイ雰囲気が出たりしますが、中身はそんなものなんですよ。

 

せっかくなのでお手紙を書いてみたりしています

手発送にはコスト面以外にもメリットがもう一つございます。

それはひとつひとつの注文に向き合える事。

名前と注文を見て、どこでNagaraを見つけた人なのか、何回目の注文なのか、味は何が好きなのかをしっかりと確認しながら出荷作業を行うことができます。

「この人はスムース・ラペが好きなんだな」とか「Twitterでフォローしているあの人だ!」とか「20個入りを買うってことは家族で飲んでいただいているのかな」とか、そういったことを想像しながら箱詰めするのは案外楽しいものです。

そして楽しいついでに手発送できているうちは皆さまにちょっとしたお手紙を書いてみたりしています。本当に簡単なものですが、ひとりひとり文面を考えて送っています。

そして手紙を書くこと自体も結構楽しかったりするものです。(クラウドファンディングのとき一気に150人に書いたときはさすがに大変でした 笑)

実は僕、字を書くのが壊滅的に下手なので「逆にイメージダウンになるのでは?」という葛藤もちょっぴりあります。

でもやっぱり注文くれたらうれしいんです。
うれしいことにはありがとうを言いたい。

だからできる限り続けていこうと思います。

そんなことなので商品の箱に手紙を見つけたら「ああ、あの人が書いているんだな、本当に字が下手だなあ」なんて思っていただければ幸いでございます。

 

Nagara 代表 原賀

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