みなさまこんにちは、Nagara代表原賀です。
毎週更新のNagara開発記、本日は商品名の変更のお知らせです。
名は体を表す。けれども表すだけでもダメなのです。
人気の創作冷製スープです。
Nagaraハンディスープのラインナップの一角。
雪人参と甘夏のスムース・ラペという商品がございます。
青森県は深浦市の雪の中で育った人参「ふかうら雪人参」と国産の甘夏を贅沢に使い、生姜や白ワインを使って風味を整えた、濃厚でありながら爽やかな冷製スープです。
特に女性の方に人気で、Nagaraハンディスープシリーズでもリピート率が非常に高いことも特徴です。
フランスの家庭料理として親しまれている「キャロット・ラペ」(フランスで親しまれる人参と柑橘の和え物)から構想を得ていることもあり、「スムース・ラペ」という名前に決めております。
この名称自体は、特徴をしっかりととらえている良い名前だと今でも感じています。
うん。カンペキです。
「スムース・ラペって何ですか?」問題
栄養も美味しさもたっぷり。お客さまの評判も上々。
ただこの商品、一つ弱点がありました。
それは「口にしてみないとどんなものなのか想像がつかない」という事です。
ビシソワーズやコーンポタージュのような一般的な冷製スープでもない、もちろん野菜ジュースとも違う。
創作スープならではの悩みではあるのですが、これがなかなか課題でございました。
「スムース・ラペ」という言葉を聞いた時にお客様の頭の中に浮かぶイメージがほぼないのです。
これではお客さまに届けるのも難しくなってしまいます。
事実、お客さまからの言葉にも「コーンポタージュおいしかったです!」や「ガスパチョが一番好きですね」という言葉は聞いても、「スムース・ラペが最高です」という言葉を聞くことはめったになく、「人参のやつ美味しいですね」や「黄色が好みです」という言葉で表されることがほとんどでした。
つまるところ「スムース・ラペ」という新しい言葉はみなさまに受け入れてもらえるには馴染みがなさすぎたんです。
黄色の君、汝はいったい何者か?
このできごとで僕は学びました。
名前というのはイメージを表すだけでなく、伝えることができなければ意味がないのだ、と。
「スムース・ラペ」という名前は「キャロット・ラペをモチーフにした口あたりのなめらかな冷製スープを表す」という意味では正しい名づけでした。
でも、それでは伝わらない。
もっとわかりやすい名前にしなければいけない。
ここで以前発売前に取ったアンケートの結果を思い出します。
実はこのアンケートでは、「雪人参と甘夏の冷製スープ」という名称が一番支持を得ていました。
この名づけであれば「これが冷製スープである」という情報をわかりやすく伝えることができそうです。そういう意味で「わかりやすい」という評価を受けてアンケートでも一番人気となったのでしょう。
でも、待ってください。
この商品の本質は「人参と甘夏が中心の冷製スープ」なのでしょうか?
僕は違うと思っています。
この商品の伝わりづらい点、そしてこの商品の魅力は「冷製スープ」という言葉から想起されるイメージとはちょっぴりズレがあるのです。
一般的にスープからイメージされるのは「野菜」「添え物」「やさしい塩気とうまみ」というようなところでしょう。
一方で、この商品を構成する要素は「野菜と果実の濃縮感」「甘夏果汁の爽やかさ」「生姜の風味」「塩気とブイヨンのうまみの効いた複雑さ」です。
この特徴を持つ商品は「冷製スープ」か?
という問いに関しての回答は、YesではあるがPerfectではありません。
それならば、もっと適切な言葉があるはずです。
この商品を適切に説明し、はじめましての方にもしっかりと伝わる名前が。
やっぱりお客様にはかないません
そんなときのヒントをくれたのもやっぱりお客様の声でした。
いつもどうり、お客さまに感想を聞いていたところこんな言葉がありまし
「黄色いやつ、スムージーみたいで私は好きです」
その場では、「なるほどなるほど。でもしっかりと調味料を使っているし、スムージーとはちょっと違うんだよなあ」という感想をいだいただけでしたが、妙に印象に残ったワードでした。
「野菜」「果物」「健康的」「つぶつぶ感」「冷たくて爽やか」
というイメージを持つスムージーは、なるほど確かにこのスープに近いのかも知れないと考えるようになりました。
This is not スムージー but "スムージースープ"
思考を巡らせてたどり着いた結論が「雪人参と甘夏のスムージースープ」です。
冷製スープではない。でもそのの要素も持っている。
スムージーではない、でもそのの要素も持っている。
であればいっそのこと、合いの子として名付けてしまおう。と考えました。
そう、スムージースープです。
人参と甘夏のフレッシュ感、爽やかさ、健康感、奥に隠れているうま味。
この名前であれば、この商品の魅力とイメージを伝えることができるのではないでしょうか?
名前を変えるという事にはリスクや大変さが付きまといますが、商品の魅力が伝わり切らないもどかしさを抑えきれずに名前の変更に踏み切りました。
この変更が良いことだったのか、悪いことだったのかはまだわかりません。
ただ、重要なのは違和感のある事を放置しないことだと考えています。
方向性が違ったのであってもまた修正すればよい。
なにごともトライアンドエラーですすめていきますので、ひきつづきご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
Nagara代表 原賀